２サイクルエンジンは４サイクルエンジンと比較すると、短時間で出力を大きく出す事が可能です。
その為に、各部品に多きな負担を掛ける事になります。 このシリンダーは、走行距離が5,000ｋｍを超えています。点検を一度もしていない車両だとすると、このようにシリンダー表面が茶色くなって汚れてきます。この汚れは、２サイクルオイルを燃やす事で出るカーボンのごみです。カーボンごみの蓄積で、ピストンも汚れ、ひどくなるとリングスティックを起こす場合があります。ちなみにリングスティックとは、ピストンリングの動きがオイルの粘度低下、スラッジなどの堆積などで動けなくなり、ピストンの気密がうまく行われなくなる現象です。
結果、出力低下を起こします。
その他にＲＣバルブは、カ―ボンの異常な付着で固着を引き起こし、サーボモーターやＰＧＭユニットを破損させてしまう場合があるので定期的なメンテナンスが必要です。
また、近頃個人売買やオークションで出回っているNSR250Rの中古車の中には、 スポーツ走行等で使用していた車両も多く出回っています。 高負荷で使用されたエンジンは、シリンダーヘッドがデトネーション等（異常高温の爆発）でザラザラになっていたり、場合によっては部品を溶かすような場合もありチェックが必要です。