修理させていただいたNSR250Rは、新車で購入してから一度もオーバーホールした事の無い車両です。 オーナーの方は、約１年間乗らずに車庫で保管していたらしいのです。いざ乗ろうとしたらエンジンが掛からない・・・。 とりあえず、知り合いの近所のバイク屋さんで修理したとの事ですが、エンジンは掛かるけれど調子が戻らない状態です。
そこで、センターシールの点検をさせていただいたところ、センターシールから１次圧縮が大きく漏れている事が確認できました。 さらに、クランクシャフトを取り外したら錆びが大きく出ていて、クランクシャフトのベアリングも損傷していました。 このように乗らなかった期間が長い車両にはこういう状態が起きる可能性があり、注意が必要です。
ＮＳＲ250Rは、クランクシャフトが 1分間に
約12,000回転出来るように設計されています。
レッドゾーン（12,000回転）付近ではクランクシャフト自体に大きな負担が掛かります。 調子が悪い状態で乗り続けた場合クランクシャフトベアリングの大きな破損や、 クランクシャフトの大端部の破損を起こす場合があり、その場合はクランクシャフト自体の交換が必要です。 またセンターシール抜けによるエンジンの不調（片排）を起こした場合にも最悪の場合は、クランクシャフトの交換を検討する必要が出てくるため、定期的なメンテナンスをおススメします。